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「自動車不具合情報」の運用の疑問
2006/09/14
目的がわからない。
国土交通省のドメイン配下にある「自動車不具合情報」というページには、2001年4月1日に端を発した15,189件の情報がある。発表に関して以下の注意書きがある。
車両の不具合状況については、ユーザーの申し出によるものであり、国土交通省でその内容を確認しているものではありませんので、申し出の内容については国土交通省では責任を負いかねます。
車両不具合情報には、設計・製造に起因するものに限られておらず、整備不良やユーザーの使用ミスなど他の要因に起因するものも含まれます。
一件一件に対してはなく、全てを総括した記述になっているこの注意書きは、言い換えると「情報の正確さについて根拠は不明で、我々としては責任など取れるはずがありません。」というもの。ではこの、普通に専門学校を出た少年がPostgreSQLとPHPを使って作ったページのほうがまだマシと思えるシステムを導入した目的はあるのだろうか。
ない。この手の情報に必要なのは、ある事象に対して
・ 原因
・ 対処/対策
・ 経過
この3点が必要となる。目的がないからこれらがない。
実はシステムの運用状況から考察すると、自然に目的が見えてくる。情報の収集にはフリーダイヤルやメールで寄せられた情報を仕分けるスタッフが必要になる。またその入力についても、システムを構築した割にはたった1万5千件ではあるが、スタッフが必要だ。そこにはコストが掛けられている。目的が「予算の消化」だということがあぶりだされるわけだ。
日本の官僚は、必死になって日本の道徳心を潰してきた。道徳心に反する法令が闊歩する世の中になっている。判例にも同様な案件があるが、それは別の問題になるので置いておくとして、各自治体の警察機構が運用するパトロールカーが、日没になってもライトを点灯している姿を見かけなくなったり、青信号になってからウィンカーを出すなどと言うのは、法令に運用されるものにあるまじき違反ではあるが、これらに限らない怠慢の原因は、その根源たる「道徳心」の欠落によるものだろう。道徳は己との勝負であり、自分に厳しい態度はもちろんのこと、場合によっては人にも厳しくできる本来の意味での強さが必要となる。代償を求めない強さはもちろんである。モラルハザードは、こうした道徳心のない集団のどこかに潜み、常に薄ら笑いを浮かべている。その笑いは、集団の蓄積した業そのものだ。余談だが、ボクはWinnyなど手に入れようと検索すらしていない(笑)。
個人的によく公務員に「あなたは自分の血縁者や配偶者に胸を張って誇れる仕事についていますか?」と質問をするのだが、代表的な回答は「あんたにそういうこと言われる筋合いはない」だった。目的を持って仕事をする人間からは、確実に聞けない言葉だろう。
目的を見失ってしまった「自動車不具合情報」は、今年の1月を最後に、入力がとまってしまっている。(元3)
情報をお寄せ下さった「8年落ちE46_323i_に戻りますた」さん。ありがとうございました。
「自動車不具合情報」はこちら
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